東京駅の中華レストランで早朝から働く日々から離れ、就職しました。
職場の一階に画廊があったのはラッキーでした。駒井哲郎やヴォルスを知り、自分でも銅版画をやってみたいと思ったのが2004年でした。
短期間の銅版画の講座に通い、出来上がったのが「立ち上がる前に」でした。
途中で何度か刷りました。あとで経過を画廊の息子さんに見てもらい、「ここで止めておけばよかったね。」と言われた刷りがありました。その時の私は止められなかったです。銅版画にはストップする判断が必要なんだと学びました。
画廊のマダムや友人には「立ち上がる前の格好じゃない」と言われましたが、私は立ち上がる前に躊躇してしまうから、やっぱりこの格好なんだと思います。
芸術に「正解」ってないんだと思ってるの。
誰かが「こうすればいい」とか「そう見えない」といったとしても、作者の心が「これだ」って感じたら、それが、その作品のいのちなんだと思う。
この銅版画には、ゆうこちゃんの「立ち上がろうとする勇気」を後押ししようとする自分と、押しつぶしそうな「不安の大きさ」を、私は感じるよ。